日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(14)~初CHUV受診~

32週ごろの受診がDr Cのクリニックでの最後の受診となりまして、晴れて卒業、あとは、出産病院に受診するようにと言われました。

それも一か月後。

スイスではお産が近づいてきても、受診のタイミングは1か月に一回です。

 

CHUVでの受診は、まず助産師さんの診察。

体重測定、血圧測定、腹囲の測定などして、あとは丁寧におなかの触診です。

 

これがとてもスイスに特徴的!

というのも、この日は先生の診察も含めて一度もエコーによる診察がありませんでした。

助産師さんが丁寧におなかを触って赤ちゃんの形を確かめて、胎向や推定体重を出すのです。

確かに、産婦人科の教科書にはそのようにやるやり方を書いてありました。

でも、日本では今はそのようにはやっていません。

だってエコーのプロ―ベをあてたら、瞬時にわかるのですから!

 

いやしかし、アナログのやり方を忘れてしまっているので良くないですね。

スイスの助産師さん、素晴らしいと思いました。

そしてのちのちわかりますが、この触診による推定体重が大変に正しいのです。

エコーによる推定体重も、±10%まではよしとするのですが、スイスの助産師さんによる推定体重は、これを上回る正確さだったかもしれません。

 

しばらくして、医師も診察室に入ってこられました。

医師によるからだの診察は全くなく、問診のみでした。

 

ひととり、これまでのお産のことや、前回の妊娠高血圧、家族歴、既往歴など一般的な問診を受けまして、最後に百日咳のことを確認されました。

 

「百日咳のワクチンは受けていますか?」

 

百日咳ワクチンは、三種混合の中に入っていますので(現在は四種混合ですね)、私が赤ちゃんの頃に受けているはずです。

ただし、その証明ももちろんありませんし、もしかしたら抗体が消えている可能性もあります。

(ただし、小児科医として働いているときに百日咳の患者さんは何人か診ているので、普通の人に比べると、確実にブーストしている可能性が高いですが)

 

そのようなことを説明すると、「今日接種しましょう」と。

 

日本ではそのようなことはしないですね。

確かに、小さい赤ちゃんに百日咳が感染してしまうと大変なことになります。

(こちらでも、三種混合のようなものがあるのは日本と同じですが、いずれにしても、ワクチン接種前に感染してしまうと、赤ちゃんは丸腰です)

 

こういうところにも日本の医療方針との違いを感じつつ、接種することになりました。

今日行って、今日受けられることにも感心しました。

(夫は別に内科受診をして受けるように言われました)

 

他には、臨月間近でしたので、どういう症状が出ればすぐに受診すべきか、などの説明を受けました。

 

 

おまけですが、外国あるあるの変なことが起こりました。

①私の妊娠週数は、排卵日から計算したものになっていました。

と言うのも、私は生理周期がぴったり一定ではないので、最終月経からの計算だと数日~1週間程度のずれが生じますし、この妊娠は、基礎体温に加え排卵検査薬を使用したので、排卵日が明確でした。ですので、私はこの妊娠週数に確信がありましたし、Dr Cも初期のCRLなどからもそれに同意していました。

にもかかわらず、この日の担当医は、私の最終月経を重視し、この最終月経を基準とする妊娠週数に変更すると強調しました。私が上記のことを説明してもダメで、頑なな印象でした。

→それなのに、次に受診した時には普通に元の妊娠週数になっていました。

 

②帰りに、次回予約を取ってねと言われていたので、受付に予約を取りに行きました。

一番都合のいい日を選んだところ、「その日だと今日の先生じゃなくなってしまいますが、いいですか?」と聞かれたため、なんとなく、もう知った先生がいいかなと思い「じゃあ、今日の先生の枠でお願いします」と、その先生の枠を予約していただきました。

→それなのに、その予約日の受診時、全然違う先生でした。特に何の断りもなく。

 

以上、①②のような???なことは外国あるあるですので、もはやそう驚きはしません。