日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(18)~経過観察入院の始まり~
予定日になっても、やはり陣痛発来はありませんでした。
(前回のお産で私の子宮のスロースターターぶりは十分に思い知っていましたので、まったく焦ることはありませんでした)
すると、予定日翌日の朝、結構な出血(新鮮色の粘血が比較的多量)がありました。
おや、と思いました。
特に腹痛も何もありませんし、これはおしるしかなと思いました。
おしるしであれば、異常なことはありませんので、いよいよだなと心の準備をして、陣痛に備えればよいと思います。
でも、高血圧はあるし、CHUVからは出血があればすぐに連絡と言われていましたので、電話をすることにしました。
助産師さん直通のお産緊急コールにかけましたところ、当然向こうはフランス語で、フランス語を話せない旨を伝えると、「ご主人に代わってください。ご主人はフランス語話すんでしょう」と。「いいえ、主人も日本人で、フランス語は話せません」と言うと、「それは問題ですね。」と言われしまいました。
CHUVは大病院ですので、そういう夫婦もたくさんいると思うのですが。
現地のひとと国際結婚した女性ばかりではありません。
やや不安になりましたが、なんとか英語を少し話す人が出てきて、事情を説明したところ、すぐに受診することになりました。
私としては、おしるしですから、きっとなんてことはなくて少し検査してきっとすぐに帰されると思っていましたので、入院の準備などは持っていきませんでした。
(日本以上に、入院になる基準が厳しいですから)
産科救急センターに着くと、まず採尿、血圧測定。
そんなに急ぐ感じでもなく、あいまあいまの待ち時間も長かったです。
(私はどうみても緊急の患者ではないですしね)
すると血圧が155/110程度。
これはやばいと思いました。
一人目の時、最終的にこれとほぼ同じ数値になり、緊急入院、車いす移動、真っ暗な個室で絶対安静の管理体制となりましたから^^;
しかし、これをみても助産師さん慌てません。
尿蛋白は降りてなかったと思います。
医師の診察となり(またまた新しい先生)、内診されました。(CHUVに来て初めて医師の診察!)
出血が、少ないながらも続いているらしく、その先生も電話でオーベンと相談していました。
NSTを受けたりして待っていると、先生がやってきて、「一日経過観察入院しましょう」と。
やはり高血圧がネックになっている様子。
常位胎盤早期剥離だったら本当に危険。
私自身の感覚としてはまったくそんな感じがしなかったけど、日本に比べて検査や検診の少ないスイス、こういうところではしっかり大事をとって入院とするんだなと感心しました。緩急をちゃんとつけてる感じ。
医師の説明としては今から明日の朝までの様子を見て、問題なければ明日の朝退院と。
家族に電話して入院準備を持ってきてもらうことにしました。
病棟の助産師さんが迎えに来てくれるということで、外来で待つことになりました。
もうすでに入院扱いになっているから、昼食が出ますよ、と言うことで、不思議なことに、産科外来で病院食を食べることに!?
外来助産師さんが、「ここで食べて下さい」と通してくださったのは、外来診察室の一つ。(笑)
こんなこと、日本では絶対ない(笑)
外来で食べたパスタ(診察室ですので、上の方に卓上電話機やら、PCのキーボードやら写っています)。
まったく期待していなかったけど、これが思いのほかおいしかった。