日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(19)~陣痛遠のく~
ずいぶん待って病棟の助産師さんが迎えに来てくれました。
とてもフレンドリーで素敵な助産師さんで、病棟のこと、ルールなどを英語でスラスラ説明してくださいました。
私が入院した部屋。
広く見えますが、2人部屋ですので、手前にもう一台ベッドが入ります。
病棟は、お産前とお産後に階が分かれていて、この階に産後の褥婦さんはいません。
いつもペットボトルのお水が置いて有って、なくなったら補充してくれます。
ホテルみたいにティーバッグなども置いています。
私は、というと、出血もだんだんなくなってきたし、血圧もほぼ問題なし、おなかの張りがたまにある程度なので、まったくお産になる感じがしませんでした。
夕方になって、隣に別の人が入院してきました。
その人は、予定日をすでに2週間以上過ぎていて、陣痛発来がないので、今日バルーンを入れたということでした。
イタリア人のその人曰く、数日前に42週0日になって、本来であればそこですぐにバルーン→促進剤が始まる予定だったのが、病棟が満床のため入院できず、見送られたと。
これ、日本では絶対にないと思う。
日本だったら、何が何でも42週になる前にインダクションします。
過期産にはしない。
その辺もおおらかなスイスらしさが出ていると感じました。
初めてのお子さんということで、ご主人も遅くまで付き添っておられました。
私は二人目なので、付き添いはありません。^^;
それでも夜8時ごろ、主人と娘と、日本から手伝いに来ていた私の父とで、私の入院の荷物を持ってきてくれました。
このとき、おなかの張りがやや強くなりつつあったので、「もしかしたら、と言うこともあるかも」と思いましたが、私のことだから期待はしないでおこうと思いました。
晩御飯もけっこうおいしかったです。
夜が更けるにつれ、おなかの張りが強くなってきました。
それと同時に、お隣の人も陣痛が始まったみたいで、辛そうなうなり声が聞こえてきます。
すると、お隣の人が破水をしたみたいでした。
「がんばって!」と声をかけました。
私もだんだん痛みが強くなってきて、痛みのある時は立てないくらい。
それを伝えると、NSTをやってくれましたが、間隔がバラバラなのでまだまだですね。と。
でも、念のため、主人に連絡してきてもらうことに。
その後も4~10分間隔で張って、痛みも強かったですが、間隔が定期的にならず。
助産師さんに、お産を進めるために病棟を歩いてみたらどうですか、と言われ、主人と病院内を歩きました。夜中の2~4時ごろ。
痛いときは立っていられないので、そこら中に腰かけて。
それでも、間隔が狭まらず、むしろ遠のいてしまいました。
主人はいったん家に帰りました。
朝ごはんを食べるころにはすっかり遠のいて20分間隔程度で、痛みも軽減していました。出血もないし、血圧も悪くないので、これは予定通り退院になるなと思いましたし、助産師さんもそうおっしゃっていました。
「医師の診察を受けたら退院になります」と。
回診に来られるのを待ちました。