小児科医が見たスイスの子育て(3)~あっさりの産科診察、しっかりの小児科診察~

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病棟の食堂からは、レマン湖と対岸のアルプスがよく見えていました。

 

CHUV入院中には、医師の診察というのはほとんどありませんでした。

(というか、診察は一度もなし)

一度産科の医師が、今後のことを説明しに来ました。

このような症状があれば要注意です、など。(これは日本にもありますよね)

 

スイスならでは、と思ったのが、この時にすでに避妊の話をされます。

医「今後の避妊をどのように考えていますか?」

私(今、産んだばっかりなんですけど…)

医「ピル処方や、IUD留置がおすすめですが、どうですか?」

私「いまは、とりあえず、どちらも大丈夫です」

医「どうしてですか?コンドームを考えているということですか?赤ちゃんが小さい間に臨まぬ妊娠をすることもよくあります。避妊についてしっかり考えておかないと。」

 

と、すごく積極的にそのあたりを言われました。

それでも、なんとか、今は大丈夫と伝え、納得していただきました。

 

これ、産後一か月健診の時もかかりつけ産科医に同じことを言われました。

さすがスイス。

 

これ以外には、入院中の産科医と会うことはなく、悪露や子宮復古の確認などはすべてその日の担当の助産師さんのみでやってくださいました。

 

赤ちゃんに対しては、退院前日に小児科医の診察がありました。

これに関しては日本よりも丁寧だと思いました。←

日本だと、新生児室にいる赤ちゃんを順番に診察していき、あとで親御さんに来ていただいて退院の説明をするという病院がほとんどですが、こちらは、個別に診察してくれました。

 

予定の時間になったら赤ちゃんと一緒に私も小児科医室に行きます。

小児科医室は同じ産科病棟に内にありますが、外来のようになっており、そこで問診と、赤ちゃんの診察をしてくれます。

しかもかなりの時間をかけて。

 

これは、産んだばかりのお母さんたちにとっても、安心感が強いのではないかと思いました。

 

あっさりの産科診察と、しっかりの小児科診察。

日本とは違うバランスだけど、これもまたいいなと思いました。