スイスの水泳教室
5歳の娘は、今二つ習い事をしています。
一つは体操教室
→と言っても、4-6歳のクラスは体育館でほとんど遊んでいるだけです。
本格的な体操の練習は7歳以降のクラスで始まるらしい。
遊びに行っているようなものだけど、この体操教室、地域の古い体操教室で、月謝が異常に安いので、気にせず通わせています。
もう一つは水泳教室。
→これはこの9月から通い始めました。
まだ3か月ぐらいだけど、すでに背泳ぎで25m泳げるようになった!
5歳の子でも普通に1.8mのプールで泳いだり、かなりアグレッシブです。
家から車で15分ほどかかるので、結構遠いです。
(近くのプールに行きたかったのですが、すでにいっぱいでした)
運転は苦手ですが、娘の水泳教室の送り迎えのため、ずいぶん慣れてきました。
スイスでは、公共の無料の駐車場も多いです。
ただし、時間制限があります。ここは2時間まで。
先生について歩いていく姿がかわいいです(笑)
付き添いの保護者も、プールサイドの観覧席のような場所から見学することができます。
夏までは、浮輪を付けないと、もちろん深いところにはいけなかったのに、すでにいっちょ前に泳いでいるのがすごいです。
小児科医が見たスイスの子育て(3)~あっさりの産科診察、しっかりの小児科診察~
病棟の食堂からは、レマン湖と対岸のアルプスがよく見えていました。
CHUV入院中には、医師の診察というのはほとんどありませんでした。
(というか、診察は一度もなし)
一度産科の医師が、今後のことを説明しに来ました。
このような症状があれば要注意です、など。(これは日本にもありますよね)
スイスならでは、と思ったのが、この時にすでに避妊の話をされます。
医「今後の避妊をどのように考えていますか?」
私(今、産んだばっかりなんですけど…)
医「ピル処方や、IUD留置がおすすめですが、どうですか?」
私「いまは、とりあえず、どちらも大丈夫です」
医「どうしてですか?コンドームを考えているということですか?赤ちゃんが小さい間に臨まぬ妊娠をすることもよくあります。避妊についてしっかり考えておかないと。」
と、すごく積極的にそのあたりを言われました。
それでも、なんとか、今は大丈夫と伝え、納得していただきました。
これ、産後一か月健診の時もかかりつけ産科医に同じことを言われました。
さすがスイス。
これ以外には、入院中の産科医と会うことはなく、悪露や子宮復古の確認などはすべてその日の担当の助産師さんのみでやってくださいました。
赤ちゃんに対しては、退院前日に小児科医の診察がありました。
これに関しては日本よりも丁寧だと思いました。←
日本だと、新生児室にいる赤ちゃんを順番に診察していき、あとで親御さんに来ていただいて退院の説明をするという病院がほとんどですが、こちらは、個別に診察してくれました。
予定の時間になったら赤ちゃんと一緒に私も小児科医室に行きます。
小児科医室は同じ産科病棟に内にありますが、外来のようになっており、そこで問診と、赤ちゃんの診察をしてくれます。
しかもかなりの時間をかけて。
これは、産んだばかりのお母さんたちにとっても、安心感が強いのではないかと思いました。
あっさりの産科診察と、しっかりの小児科診察。
日本とは違うバランスだけど、これもまたいいなと思いました。
小児科医からみたスイスの子育て(2)~院内食にドレスコード~
やはり、食事は大事ですね。
病院食、こまめに写真を撮っていましたので、シェアします。
朝ごはん、なんとも質素ですね。
初日に、お部屋係の方に「朝ごはんは何がいいですか?」と聞かれまして、何と答えていいかわからず、まごまごしていたら、「ハムとゆで卵?」てな感じで聞かれ、「それで。」と答えました。
毎日選べるのかと思いきや、入院中はずっと同じメニューでした。(笑)
「パンの上に写っている、どピンクの物は何!?」
とお思いのことと思います。
これは、”ゆで卵です”!
しかし、これ、スイスでは珍しくないのです。
こういう、殻に派手な色が染色してあるゆで卵、スイスでは一般的で、よくスーパーでも売っています。
いろんな色があります。
ですので、このときはもはや驚くことはありませんでしたが、これを見せた日本の友達は大変驚いておりました。
もちろん、染まっているのは殻だけですので、殻をむけば、普通の白いゆで卵です。
お祝い膳など、出産後の特別食などはなくて、通常食です。
(東京でも大学病院での出産でしたので、お祝い膳はありませんでした)
赤ちゃんは、こんな感じのコットに入っていて、基本的に母児同室です。
食事は、出産直後、貧血で歩けないようなときは、お部屋に持ってきていただいて食べていました。
元気になってくると、基本的には、病棟内にある、食堂で食べます。
食堂に赤ちゃんは連れていけないので、食堂に行くときは、ナースステーションに言えば赤ちゃんを預かってくれます。
私は最初の方、身なりに構う余裕がありませんでしたので、病院の入院着を着ていましたが、食堂を見渡すと、みなさん、割ときれいな格好をされていました。
日本では、マタニティパジャマを着ている人が多いと思います。
こちらでは、外出着のようなものを着て食堂に来る。
そういえば、Patient Hotelに入院するにあたって、病院から渡された準備物のリストに、”ガウン”というのがありました。
パジャマで食堂に行くことはできませんので、必ずガウンを着て下さい。と。
こんなところにドレスコードが…!
病院着を脱ぎ捨てて、私も少し見栄えのするマタニティワンピースにしました。
コットには、お名前プレートの代わりにこんな紙が貼られていました。
"Bonjour!
Je m'applle (名前).
Je suis né le () à 16h25.
Je pése 3640g et mesure 50cm."
"こんにちは!ぼくの名前は~~。〇年〇月〇日の16時25分に生まれたよ。体重は3640gで、身長は50㎝”
と書いてあります。
なんか、枠を埋めるネームプレートとはまた違う良さがありますね。
小児科医が見たスイスの子育て(1)~母乳スパルタの方針~
無事に(?)出産編が終わりまして、休息する暇もなく育児はやってきます。
一人目のときもそうだったように、今回もお産で大量出血した私は、人より、母乳が出てくるのに時間がかかりました。
最初の数日間はほとんど出ない。
それでも、片方20分ずつ赤ちゃんにくわえさせて、なんとか自分のオキシトシンが分泌されるように促しました。
それで足りない分はミルクを足せばいい。
これが私の考え方です。
もちろん、母乳をメインにして行こうと思っていましたが、何が何でも母乳でなければ!なんて当然考えていませんし、赤ちゃんにとって必要であれば、ミルクをあげるのがいいのです。
初乳は、ほんの数滴でも必要な成分(IgA)が十分赤ちゃんに移行します。
しかし、このCHUV、そう甘くはありませんでした…。
確か、出産前に助産師外来のときに、母乳育児を希望するか、ミルク栄養で行くか、希望を聞かれました。その二択でした!(混合は??)
そのときは、深く考えずに、「母乳をあげたいと思っています」と答えました。
それがしっかり記録されており、「あなたは母乳でいくんですよね?ミルクはあげませんよ!」と…。
この方針がめちゃ厳しかった。
最初の一日程度は大丈夫なんです。
赤ちゃん、ほぼおっぱい飲めてなくても。
NICUにも長く勤務していました。
そのときに、よく親御さんに
「赤ちゃんは水筒を持って生まれてくるんですよ」
と説明したものです。
最初の24時間程度、ごくわずかな母乳しか飲めなくても、赤ちゃんは大丈夫なんですよ。
脱水を心配しますよね。
でも、赤ちゃんは水筒を持って生まれてきているのです。
十分な水分量があるんですよ。
ごたぶんにもれず、我が子も、最初の24時間、おなかが減って泣くということはありませんでした。
ただし、それにも限りがある!
ここからが本当に大変だった。
二日目の夜には、私の母乳がほとんど出ないもんだから、おなかが減って泣くわ泣くわ。
同室の隣の赤ちゃんは、本当におとなしくて、夜中にほとんど泣かない。
なのに、我が子は、夜中、かなりの頻度でしかも、めっちゃ大きい声で泣く!!
これが辛かった。
くわえさせてもくわえさせても、我が子を満足させられるだけの母乳は出ないし(だって、貧血なんですから!)、ミルクを足したいと助産師さんに言っても、「あなたは母乳で行くんでしょう?」と一蹴される。。。
それでも、何度も言ったら、ようやく用意しに行ってくれるけど、そこから30-40分かかる…。すでに40分以上くわえさせたあとですので、あかちゃんはずっと泣き止まない、私は疲弊、隣の人に申し訳なくて、部屋を出て歩いてあやす、の繰り返し。
これのせいで、ほとんど眠れませんでした。
新生児育児ですから、眠れないのはある程度覚悟の上ですが、自由にミルクをあげられないのは本当に困りものでした。
かといって、日本の助産師さんのようにかいがいしく母乳マッサージをしてくれるわけではありません。
基本放置。
日中は夫が来てくれたり、娘を連れて父が来てくれたり、私も気がまぎれるし、赤ちゃんも激しく泣くということはなかったし、あれば、夫が見てくれていました。
でも、夜になると、私と赤ちゃんだけ。それで、また、金切り声をあげて泣くのです。
何度も何度も。
心底、個室を予約しなかったことを悔やみました。(Patient hotelに行くと思っていましたので)
日本の病院では、ミルクは必要な時に、自分で取りに行くことができましたので、全然ストレスフリーでした。
今後母乳メインでやっていきたいなら、出産直後の数日間にいかに赤ちゃんに吸啜してもらうか、ということが非常に重要で、それによって今後の母乳分泌量がかわる、ということはよく承知しております。
それでも、私のように、お産の時に出血がひどかったり、普通よりも体力を消耗していたり、ひとによって状況はさまざまです。
それに合わせて母体の状況も見ながら、母乳をすすめるというのが大事なのではないでしょうか。
というようなことを現場の助産師さんい言う気にもなれず、あらゆるフラストレーションや疲れがたまった私は、限界を迎えていくのでした。
日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(28)~母は強し~
長かった出産シリーズがいよいよ終わりになりそうです。
ICUで麻酔科医の先生が血液検査で貧血の度合いをチェックしていました。
すると、思ったよりも貧血が進んでいなかったみたいで、輸血も必要ありませんでした。
(ヘモグロビン10弱だったそうです)
やはり、”母は強し”ですね。
出血量は約1000mlということですが、厳密に測るのは難しい状況だったと思います。
一人目のお産のときも同様の合併症がありましたが、このときも同様に約1000mlの出血ということでした。
しかし、東京のその病院の規定で、1000mlまでの出血の場合、次の血液検査は3日後?という決まりになっていたそうで、直後はおろか、翌日も血液検査なし。
そして、3日後の血液検査で、ヘモグロビン7.3!!
おそらく、直後はもっと低かったと思います。
それもそのはず、翌日、翌々日も私はものすごいめまいで廊下も満足に歩けない状況でした。
病棟の廊下についている手すりは、やはり患者にとっては大変ありがたいものだと実感したものでした。
そして慌てて、鉄剤を導入されたという経緯がありました。
今回は、ちゃんと(?)管理されていましたので、しっかり貧血の度合いをみてもらえました。
輸血にならなかったことは、麻酔科医の先生としては驚きだったみたいです。
今回も経口の鉄剤で事なきを得ました。
それにしても、今回の方が、意識が遠のいたり、ろれつが回らなくなったり、自覚症状としては、重たかったのですが、前回の方が貧血だったのですね。
症状は、年齢の問題もあるのか・・・?
無事に(?)輸血も回避しまして、ICUで少しの間入院したのち、通常病棟に移りました。
ほんとならここで、Patient Hotelに行って、ホテルのような環境で入院生活を送る予定だったのに…。
前回までに書いたような状況ですから、そのような場所に行けるはずもなく、通常病棟となりました。
CHUVでは、個室に入るには、事前予約が必要であり、それがない場合は大部屋ということになります。
大部屋と言っても2人部屋だし、気にしてはいなかったのですが。。。このときは。
ようやくゆったり赤ちゃんと過ごせる時間となり、心から安心しました。
ご飯も早速出てきましたし、食べることができました。
さすが、”母は強し”
妊娠出産シリーズはここまで。
次回からは、子育てシリーズに移りたいと思います。
もみのき購入
今日はクリスマスツリーを買いに行きました。
こちらでは、本物のもみの木が主流。そして案外高くないのです。我が家は毎年この季節に本物のもみの木を買っています。
自分でどのもみの木がいいか選んだら、店員さんに言って、梱包してもらいます。
もみの木専用の梱包システムがあるからすごい。
網のついた筒にもみの木を通したら…
あっという間に編みにくるまれたもみの木完成!
もみの木以外にもクリスマスの飾りがたくさん売ってます。
食品売り場は、クリスマス用のチョコレートが山のように売られています。
カイエのこの時期限定の切り絵のパッケージもとてもかわいい。
クリスマスと関係ないけど、スイスのスーパーのお魚コーナはこんな感じ。
海のない国で、海鮮はなかなかないイメージだけど、買えます。ただし高い。
今日はマグロのフィレを買いました。
店員さんにほしい分量を伝えると切ってくれて、
こんな感じにパッケージしてくれます。
医師の働く環境~日本のブラックな現状~
今日はブラックフライデーでしたね。
久しぶりに街に出て、子供たちの雪用のゴアテックスブーツを買ってきました。
金曜日、一応平日の昼だというのに、休日のような混雑でした。
ところで、ブラックと言えば、日本の医師の働く環境は大変ブラックです。
今日はそれについて少し書きたいと思います。
日本では、来年度に向けて保活の時期だと思いますが、少し前に私の大学時代の友達が以下の内容のことをSNSで投稿していました。
「夫が大学病院で院生という立場で働いている。いわゆる無給医。実際には週七日勤務、残業もありまくりなのに、大学病院の事務が、書類上、週一勤務としか書けないと。なので、当然フルタイムを要請される保育園に応募できない。」
まったく、信じられない。
と思うと思いますが、これが日本の医師の現状です。
この投稿を見て、怒りしか湧いてきませんでした。
本人はクリニック勤務でもちろん書類上ももちろんフルタイムですが、ご主人は、一般的なフルタイム以上に働いているのに(残業や当直を含めて)、書類上は週一勤務!!
無給医ということなので、給料もほぼもらっていないのでしょう!
本当にこんなことがあっていいの??
情報を付け足すと、医師の場合、卒後何年か後に大学院に進学することがよくあって、もちろん学位取得を目指すのですが、多くの大学の場合は、少なくとも1~2年、下手したら4年間すべて、病棟勤務を義務にしているのです(つまり普通に大学病院の勤務医として働くのと同じ)。
日中は、他の医師と同様に業務をこなして、夜間や空いた時間で研究・実験をやりなさい、と。
これは、普通の勤務に加えて激務です。
だって、普通の勤務でも、朝は早いし、夜は遅いし、当直もあれば、当直明けの勤務もあるのです。
ひどいことに、肩書上は大学院生ですから、大学病院は給料を払ってくれません。
いえ、むしろ、大学に”授業料”を支払っているのです!
ほんとにこんなことある?
さらに、これでは当然生活できませんから、通常業務+研究業務に加えて、アルバイトをしていると思われます。
これだけ働いて、書類上週一だから、認可保育園に入れない・・・?
ただただひどい。
思い起こせば、私が子供を産む前に働いていた、東京の某病院でも、私の勤務は、週4日の非常勤扱い。実際には週7日、土日も含めて毎日出勤して働いていましたよ。常勤医とまったく同じ働き。当直も月5回はありました。
当然、残業代はつきません。
そのときは、給料を安く抑えられてひどい、と思っていましたが、確かにそのとき子供がいたら、フルタイムじゃないから、保育園落ちるところでした。
全く信じられない。
誰かが声をあげないと、何も変わらないですね。