日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(28)~母は強し~

長かった出産シリーズがいよいよ終わりになりそうです。

 

ICUで麻酔科医の先生が血液検査で貧血の度合いをチェックしていました。

すると、思ったよりも貧血が進んでいなかったみたいで、輸血も必要ありませんでした。

(ヘモグロビン10弱だったそうです)

やはり、”母は強し”ですね。

出血量は約1000mlということですが、厳密に測るのは難しい状況だったと思います。

 

一人目のお産のときも同様の合併症がありましたが、このときも同様に約1000mlの出血ということでした。

しかし、東京のその病院の規定で、1000mlまでの出血の場合、次の血液検査は3日後?という決まりになっていたそうで、直後はおろか、翌日も血液検査なし。

そして、3日後の血液検査で、ヘモグロビン7.3!!

おそらく、直後はもっと低かったと思います。

それもそのはず、翌日、翌々日も私はものすごいめまいで廊下も満足に歩けない状況でした。

病棟の廊下についている手すりは、やはり患者にとっては大変ありがたいものだと実感したものでした。

そして慌てて、鉄剤を導入されたという経緯がありました。

 

今回は、ちゃんと(?)管理されていましたので、しっかり貧血の度合いをみてもらえました。

輸血にならなかったことは、麻酔科医の先生としては驚きだったみたいです。

今回も経口の鉄剤で事なきを得ました。

 

それにしても、今回の方が、意識が遠のいたり、ろれつが回らなくなったり、自覚症状としては、重たかったのですが、前回の方が貧血だったのですね。

症状は、年齢の問題もあるのか・・・?

 

無事に(?)輸血も回避しまして、ICUで少しの間入院したのち、通常病棟に移りました。

ほんとならここで、Patient Hotelに行って、ホテルのような環境で入院生活を送る予定だったのに…。

前回までに書いたような状況ですから、そのような場所に行けるはずもなく、通常病棟となりました。

 

CHUVでは、個室に入るには、事前予約が必要であり、それがない場合は大部屋ということになります。

大部屋と言っても2人部屋だし、気にしてはいなかったのですが。。。このときは。

 

ようやくゆったり赤ちゃんと過ごせる時間となり、心から安心しました。

ご飯も早速出てきましたし、食べることができました。

さすが、”母は強し”

 

妊娠出産シリーズはここまで。

次回からは、子育てシリーズに移りたいと思います。