日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(1)~妊娠初期の葉酸~
今日から、私の経験したスイスでの妊娠出産について書いていきたいと思います。
日本での出産も経験していますし、小児科医として数々のお産の現場に立ち会ってきたので、スイスでの経験は発見がいっぱいありました。
待望の二人目!
というわけで、一人目同様、薬局で買ってきた妊娠検査薬で陽性を確認したので、産婦人科を探し始めました。
私がかかりつけ産婦人科に求めた条件は、
①女性
②英語を話す
スイスの医師はほとんどの人が英語を話すと思いますが、それでも、HP等にそう書いてあると安心でした。
と言うわけで、候補を見つけて電話しました。(受付の人が英語を話すかどうかもとても重要ですね)
すると、一件目の先生は、今患者さんをたくさん持っているので、新患は取っていないということで断られてしまいました。
二件目に電話すると、問題なく受け入れてもらえるとのことでした。
Dr Cとします。電話口の受付の人によると、Dr Cは、妊娠7週目以降から診始めるとのことで、最終月経を聞かれ、そこから算出される妊娠週数より初診日が決まりました。
ここで、初診日を待たずに、今すぐにでも葉酸のサプリを薬局で買って毎日服用するように指示されました。
初診時に葉酸の処方箋を出すので、保険会社にはあとから請求するように、と。
この辺りから、日本と違います。
まず、葉酸はもちろん、妊娠前および妊娠初期に必要な栄養素として日本でも摂取が推奨されていますが、なかなかそこまでやってないという人も多いのではないでしょうか。
もちろん、日本では処方薬ではないので、自費で手に入れるものです。
ところがスイスではちゃんと処方薬になっていて、保険カバーとなるのです。
前にも少し書きましたが、医療費がなんでも高いスイスですが、妊娠出産に必要な医療費は全額保険会社の支払いとなります。
もちろん、葉酸もそれに含まれるのです。
翌日には薬局で葉酸のタブレットを手に入れて、毎日飲み始めました。
そして初診日が来るのを楽しみに待っていました。
すでにつわりも始まりつつありました。