日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(2)~初期の妊婦検診~

そして初診日がやってきました。

 

ここで一般的なスイスのクリニック受診の流れです。

 

受付で名前を名乗る

  ↓

待合室に通される

ーここで、他の待っている患者さんたちに”bonjour"と一言挨拶するのが一般的です

  ↓

診察を受ける

ー待合室に先生が呼びに来て、Dr Cの場合はそこで挨拶と握手をして診察室に入ります

  ↓

診察が終われば、そのまま受付を通って帰る

ーお会計は後日郵送ですので、お会計待ちはありません

 

Dr Cは、40歳台くらいのすらりとした女医さんです。

予約の時に妊娠検査陽性であることは伝えてあるので、とりあえずまずエコーで診てみましょうということになりました。

 

そして内診台です!

これが結構日本の内診台と違う。

日本のは、内診室は割と狭めの個室になっていて、内診台は普通に椅子のように腰かけてから先生や看護師さんがスイッチを入れると電動で砕石位(足を開く体勢ですね)になり、おなか辺りのところにカーテンが来て、先生や看護師さんと顔を合わせないようになっているところが多いと思います。

 

しかし、こちらでは、内診室は広く、カーテンの類は全くありません。そして電動の内診台ではなく、すでに砕石位になっている状態の内診台で、患者は、内診室奥にある衝立の向こうで下着を脱ぎ、その状態で内診台によじ登り、自分で砕石位になります。

そして診察中もずっと先生の姿が見えるし、もちろん先生からも私の全身が見えている状態です。

 

日本の産婦人科に慣れている人にはやや抵抗ありな感じです(笑)

 

夫も内診室に入ることを許可されていますが、そのような状態の妻をずっとみていることもできず、内診室と診察室の境あたりに立って、そこに設置されたエコーモニターの方をずっと見ていました。

 

処置中もいろいろお話ししながら(前回のお産のことや上の子供のはなしなど)、いざエコーをすると、ちゃんと胎芽が見えました。

そして、心拍もこのときに確認できました。

 

2人目と言えど、このときの感動は何にも代えがたいですね。

 

めでたく赤ちゃんを確認できましたので、細かい情報を問診され(前回のお産のこと、最終月経、月経周期など)、出産予定日や、スイスでのお産の流れをざっと説明してもらいました。

 

そこで、スイスで、妊婦さんみんなに配られる妊娠出産に関する冊子やフライヤー類をまとめた分厚い書類を渡されました。

「全部フランス語だけど、勉強中ですよね?頑張って読んでくださいね」と。

 

この日は一般的な妊娠初期の血液検査(抗体検査などですね)や血圧測定、体重測定も受けました。

 

お会計は、はっきり覚えておらずあやふやですが、確か、Dr Cのクリニックからの請求が350CHF(約4万円)、検査会社からの請求が350CHFと言う感じだったと思います。

つまり、初診で8万円近いお金がかかりました。

(スイスのクリニックでは、血液検査は基本的に外注ですので、診察代と検査代は別々に請求が来ます)

 

ただし、以前にも書いた通り、スイスではお産に関する医療は基本的に保険会社払いとなっているので、いったんは振り込みますが、後日保険会社に請求すると保険会社からうちに同額振り込まれます。いったんは自分で払わないといけない仕組みですね。(これは保険会社によるみたいです)