日本の医師から見たスイスでの妊娠出産(11)~妊娠月数の数え方~
スイスの妊娠〇か月と、日本の妊娠〇か月は一か月ずれています。
妊娠週数の数え方は同じです。
月数が違うのはなぜかというと、日本では、最初の月(妊娠が成立したとき)が、妊娠一か月ですよね。
スイスでは、それが、妊娠0か月なのです。
ですので、それ以降ずっと、日本で言う妊娠月数より、スイスの方が一つ少ないことになります。
日本では妊娠10か月が臨月ですが、スイスでは9か月が臨月です。
私は、日本の数え方で慣れていたので、最初のころはとても違和感がありました。
でも、よくよく考えてみると、スイスの方が合理的なんですよね。
日本は「かぞえ」の文化だから、最初が1。
でも、数学的に言うと、0から始まった方が分かりやすい。
妊娠0週目で始まる月が0か月
妊娠4週目で始まる月が1か月。
日本だと、それぞれ、1か月、2か月。
スイス式の方が、妊娠週数と妊娠月数の関係が計算で把握しやすいです。
これ、建物の階でも同じなんです。
日本では地上階=1階。スイスでは地上階=0階です。
最初は慣れなくて、エレベーター押し間違えてしまったりすることもよくありましたが、よくよく考えると、地上階を0階とする方が理にかなっています。
最近、娘が算数をするようになってきましたが、
「地下1階から地上2階まで上がると、何階分上がることになる?」
という問いがあったとしたら、スイス式なら、普通の計算式に当てはめると正しい答えが出ます。(2-(-1)=3)
でも、日本式の階数表記だと、おかしなことになります。
スイスに来て、日本のいいところをたくさん知ることができましたが、妊娠月数の数え方、階の数え方は、スイス式に一票入れたいと思います。