スイスの学校の話

妊娠出産の話からいったん離れまして、娘の学校について書きたいと思います。

 

スイスの義務教育は、4歳から始まります。

新学期は9月から(正確には8月の最終週から)です。

 

4歳が一年生(1P、アンペ)。

我々の地域では、1Pは、月、木、金が午前中、火曜日が午前午後、水曜日がお休みです。

 

4歳って、まだまだ幼児だし、身の回りのこともしっかりとはできないので、少し不安でした。(しかも娘は誕生日の関係で、4歳になってすぐに学校、という感じでした)

当然、登下校は自分ではできないので、親が送り迎えをする必要があります。

(そして、以前にも書きましたが、午後授業の日は、お昼休憩のために一度帰宅しますので、もう一往復の送り迎えをしなければなりません!)

 

そして娘はしょっちゅうものをなくして帰ってきました。(しかもなくしたことにも気が付いていないのです!)

4歳の幼児に身の回りの物をすべて管理することを求める方が無理があると思います。

 

4歳で義務教育と言っても、日本の幼稚園のような感じなのかなと思っていたら、けっこう本格的な授業をやるみたいです。

 

学級は、1Pと2P(一年生と二年生)の複式学級で、一クラス約20名。担任の先生は一人です。

教室は、ちゃんと自分の机といすがあり、3グループに分けられ、グループごとに「班の形」になっています(意味わかる方おられたらうれしいです)。

 

教室の前には大きな黒板があり、先生のデスクもあります。(日本の教壇のようなものではなく、ちゃんとしたデスクです)

 

日本の小学校と違うところは、教室内に、おもちゃがあったり、図書コーナーがあるところです。

おもちゃは、お買い物ごっこ用のレジやおもちゃの品物、キッチンセット、粘土などです。

図書コーナーは、本棚に絵本があるだけではなく、絨毯がしかれ、大きいクッションがあって、リラックスして本が読めるスペースになっています。

 

おもちゃも、ただ遊ぶため、というより、それぞれ教育的意味があって置いてあるということを担任の先生から説明されました。

 

休みも日本の学校に比べて多く、秋休み(二週間)、冬休み(二週間)、スキー休み(?)(一週間)、イースター休み(春休み)(二週間)、夏休み(七週間)です。

 

ただし、スイスの義務教育、とっても出席に厳しいです(「義務」なので当たり前かもしれませんが)。

休みを取りたいときは、専用の申請書を書いて提出し、審査を受けなければなりません。

審査の結果、休みの申請が却下されることもあります。

もちろん、病欠の場合は、その日の朝、その旨先生の携帯にSMSを送って休むことができます。

後日、欠席の申請書を書いてあとから承認される、という形です。

(ただし一週間以上休む場合は医師の診断書がいるそうです)

 

日本人の感覚だと、4歳は幼児なので、まだまだ親の都合で連れていくことが許される年齢と思ってしまいます。

 

ですので、娘が1Pのとき、学校の休みじゃない期間に、日本に一時帰国する予定を入れてしまっていました。

息子が生まれてからまだ一度も帰国したことがなく、ちょうどその期間に主人の仕事が日本でありましたので、一家で帰ることにしたのです。

八日間の弾丸帰国の予定でしたので、そんなに長い休みと言うわけでもありませんでした。

 

申請書さえ出せば大丈夫とたかをくくっていましたところ、なんと、見事に申請が却下されてしまったのです。

慌てました。

もう航空券を買ってしまっていたし、日本での予定も埋まっていました。

もう一度、一時帰国する必要がある理由を詳述して再申請することにしました。

 

すると、条件付きで許可するという回答が返ってきました。

条件とは、「向こう二年間、休みは一切許可しない」というものでした。

(もちろん病欠は含みません)

なんと、厳しい…

 

 

しかし、あとで友人の話などを聞くと、日本で幼稚園に通わせたり、日本で、母国のことを学ぶため、教育の一環として、という文言を申請書に含めると、通りやすいとのことでした。